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■呼吸器外科の解剖

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Rib7-10は肋軟骨部で融合し1本となり胸骨に付着.11、12は遊離肋骨となり胸骨とは付着せず.1-6肋骨はそれぞれ軟骨で胸骨に付着.

胸郭の外観

胸鎖乳突筋

小鎖骨上か

大鎖骨上か

鎖骨下か

モーレンハイムの三角

大胸筋、三角筋、鎖骨で囲まれた三角

三角筋

大胸筋

乳頭

胸骨上か

肩峰Acromion

鎖骨Clavicula

僧帽筋

剣状突起

肋骨弓

胸郭の外観、側面

上腕三頭筋

三角筋

広背筋、大円筋

肩甲骨下角

ジェルディ線

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前鋸筋の起始部と外腹斜筋の起始部とが組み合ってできる鋸歯状の線

外腹斜筋

肋骨弓

胸郭背面

三角筋

肩峰

           第7頚椎のきょく突起

           僧帽筋

           肩甲骨内側縁

           聴診三角

           肩甲骨下角

           広背筋

           皮膚切開

           後側方切開

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+肩甲骨内側縁と後正中線との中間を通り肩甲骨下角を通って、第6肋骨に沿い前下方に向かう切開線

上端は第4から第5胸椎の高さから始まり、下端は前腋カ線に終わる筋性胸壁の筋肉(浅胸筋)、血管、神経

                        大胸筋

                        小胸筋

                        前鋸筋

                        外腹斜筋

                背部

                        1層

        僧帽筋、広背筋

2層                        大菱形筋、小菱形筋、肩甲挙筋

                      大円筋、前鋸筋

                      3層

                      上後鋸筋、下後鋸筋、後斜角筋

                                            棘筋、最長筋、腸肋筋

聴診三角は後側方切開の筋肉切開の起点

後斜角筋は第2肋骨を確認するための大切な手がかり

側胸部では腋カ動脈の枝である外側胸動脈が前鋸筋に入っている

広背筋の下面に胸背動脈が入っている

外側胸動脈に平行して長胸神経が下行して前鋸筋に分布している

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■薬剤使用法

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●肺結核

結核が確定したら

1)イスコチン0.4g2×、

2)エブトール(125)8T2×、

3)リファジン(150)3C1×の内服を定期で開始し、

ストレプトマイシン1g+1%キシロカイン2mlを1週間筋注する.

 

感染が疑われる場合はイスコチン0.4g2×の予防的投与を最低1カ月間使用する.

 

Pt Aの場合は

イスコチン0.4g2×+エブトール(125)8C2×を1カ月間.

Pt Bの場合は

術後5日間硫酸ストレプトマイシン1g筋注、

1)イスコチン0.4g2×、

2)エブトール(125)8T2×、

3)リファジン(150)3C1×の内服を最低3カ月間.

          ストマイのかわりにカナマイでも良い.

                 投与前に聴力検査を行うのが好ましい。

尿が赤色変化することを説明しておく.

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◆プロスタンディンの使用法

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■降圧剤                                                     ----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-                ペルジピンを原液で1ml/hrで開始血圧をみながら4ml/hrまで増加(最高6ml/hr).効果なければミリスロール原液を同様の量で開始し併用する.

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●アズノール咳嗽

4%キシロカイン12ml+アズノール(2)6T+蜂蜜12g+精製水600mlを混合しその100mlをエレース1瓶と混ぜて一日分として使用、数回に分けて咳嗽に使用する。抗癌剤や放治による口内炎、舌炎に効果的。

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■術後管理

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一般事項

輸液                                           肝機能低下状態やショック状態では酢酸リンゲルがbetter

乳幼児も酢酸リンゲルがbetter(d体,dl体の乳酸代謝酵素をもたない)                                     酢酸には血管拡張作用があるため大量投与で血圧低下の可能性有り

ショック時

           Hct20%までは輸血不要

         晶質液:膠質液(デキストランなど)=3:1〜2:1

           Hb7〜8、Hct20%をめどに輸血を

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■肺癌

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1週間空気漏れが止まらないとき:

 

1.OK-432:5−10KE+0.25%マーカイン3ml+NS100ml+ペントシリン1g

2.ブロンカスマベルナ2A+0.25%マーカイン3ml+NS100ml+ペントシリン1g

以上のどちらかを胸腔内に投与し、ドレーンをクランプし、5-15分毎に体位変換し、数時間後にあるいはクランプしたままとする.

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食道

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術後照射:T字照射−40Grey=4000rad

 

顆粒球減少症:照射後2-4週間後に起こりうる.ノピアまたはアンサーを投与する.効果なければGCSFに変える.

                                     

術後2-3人工呼吸管理下とする。術後2-3日目に喀痰増加、肺水腫起こりやすい。

抜管後は適宜トラヘルパーなどを留置する。郭清により対側開胸になっていることがあり、エコーなどで胸水を確認し、適宜アスピレーションキットを挿入する。

胃管は術前に先端より20cmまで追加で側孔を開けておく。口側の最終孔はx線マーカー部に開け術後側孔の位置確認のためとする。ガムコ12cmH2Oで間欠的に吸引する。適宜詰まっていないか確認する、必要なら20ml程度注入し詰まりを解除する(両管とも)。

毎日体重測定し、CVP、検尿所見も参考に水分バランスを図る。2-3にちはオーバー目になるため。

術後3日間はガスター使用。術翌日よりテレミンを挿肛し排ガスの誘導を図る。

3PODより高カロリーとし、脂肪乳剤も併用し、カロリーアップを図る。

意識レベルが清明なら1PODより半座位とし、抜管後はベッドサイドで足踏みなど積極的に離床を進める。徐々に歩行可とする。

緊検は術後3日目までは最低一日2回、X-Pも2回、適宜AXPも撮影。

14POD前後に飲水させ蒸せがなければガストログラフィンで造影、リーク無ければ胃管抜去、飲水可とし、翌日より流動二日上がりで全粥、5文食としていく。翌日からドレーン抜去の準備(ハイムリッヒにするなど)を造影後2日目頃に問題なければ抜去する。

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■漏斗胸

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術後3−5日間は人工呼吸器管理下で内固定する.鎮静剤としてドルミカム10A+ケタラール30ml(筋注用)を1−6min/hrで持続投与する.

 

Grade

I:非常に軽い陥凹;手術適応なし

II:比較的陥凹強い;手術適応は±

III:陥凹強く、心の左方への偏位あり;手術適応あり

IV:陥凹強く、胸骨が脊椎に接する;手術適応あり.

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■検査

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肺全摘予定症例の術前機能評価

                                            大畑ら

%VC 60%以上

%MBC 60%以上

FEV1.0% 60%以上

RV/TLC 40%以下

PAmean 20mmHg以下

SaO2 90%以上

                                            仲田ら(一側肺動脈閉塞試験)

全肺血管抵抗 安全限界500、許容限界700

平均肺動脈圧 安全限界25、許容限界30

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BF

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一般事項

                                     

命名法の優先順位:上>下、後>前、外>内、a>b、i>ii、α>β

                                

膜様部の生検は出来るだけ避ける.破れやすいため

赤色調の腫瘍の生検も避けること.特に小児では.出血のため窒息の危険が高いため.

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■出血した時

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軽度であればBFを手前に引き観察しながら適宜吸引する.

中程度は生食10mlにボスミン1〜2滴の溶液を撒布してみる.または1万倍希釈ボスミン入り2%キシロカイン1mlを注入する.またはエピネフリン1mgを生食20−30mlに溶かし少量ずつ注入.

高度の出血は生食5−10mlにトロンビン末5000単位を溶解し、全量注入しBFでウエッジする.

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BALF

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50ml温生食を計3回目的気管支に注入ブロックし回収し、1回目は捨てる。回収は注射器に延長チューブを付けBFの吸引口に延長チューブをはめ込み注射器でゆっくり吸引し回収する。回収液の白血球分類、リンパ球subsetを解析する

                                     

正常では肺胞マクロファージ93±3%、リンパ球7±1%(Tcell73±4%、Bcell8±3%)、Null細胞19±3%である.

                                     

サルコイドーシスの場合はマクロファージが減少し、リンパ球が増加する、subsetではT細胞が減少する?

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◆細胞組織診断

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経気管支針細胞診は呼吸運動を利用し容易に病変に到達でき診断率も高い。

TBLBも腰(強くかむと腰が強くなる)を利用したり、また呼吸運動を利用したりして病変部に到達を図る。

                  

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■腫瘍マーカー

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CEAは肺癌で最も再発などの徴候としてその上昇が信頼できる.半減期が10日から14日間のため3週間後に図ると目安になる.

           シフラも目安になる

           SCC

           NSE

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■肺の聴診

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湿性ラ音(断続性ラ音とも言う)(大・中水疱性ラ音、小水疱性ラ音)

大・中水疱性ラ音(Coarse crackle);低音で粗い、吸気初期から呼気に

小水疱性ラ音=稔髪音=ベルクロラ音(fine crackle);高音で密、吸気終末

            DPB:吸気と呼気両方に中水疱性ラ音

            IIP:小水疱性ラ音

          

乾性ラ音(連続性ラ音とも言う)

         高音の乾性ラ音=wheeze

         低音の乾性ラ音=rhonchi

         喘息:笛声音で高音で呼気延長あり

         肺癌:低音である

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■EF

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ルゴールは3倍希釈して用いる(人によっては2倍希釈)、また臭いが強く鼻に付くことも事前に説明.

2%が望ましい。まず挿入しながら十分に確認しながら発赤、壁不整の以上所見は記憶しておく。その後胃、十二指腸を観察し。最後に食道にルゴール撒布する。50歳以上の男性は全例ルゴールの撒布を無条件に行う。

 

 

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■超音波内視鏡(食道)

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GFUM20を使用。アプリケーターを用いゴムフードをコンドームを被せる要領でGF先端に被せる。脱気水を送水タンクに入れておく(多量に使用するため適宜追加する)。送水を全押しにすると先ほどのフードが膨らむ事を確認。GFとUSの電源を入れる。GFの要領で患者に挿入する。USは12MHzを主にしよう、適宜7.5MHzも使用。送水したままでまず大動脈の高さで大動脈と椎体を確認し画面がCTと同じ像になるよう回転を用いて適切な位置に固定する。その部を中心に前後にずらし(多少膨らましたままでもかまわない)、腫瘍部を描出する。送水を全押しの状態としたままアップ、ダウン、左右を用い食道の5層構造がでるよう工夫する。高低高低高の順で現れる。粘膜層、粘膜下層、粘膜筋板、粘膜固有層、固有筋層、外膜の順番である。腫瘍と大動脈、左房、気管の関係全周のどれくらいを占めているか、どの層までが保たれているか、外膜浸潤はどうかを観察し、適宜撮影する。全ての観察が終わったら、GFをz-line部まで挿入、全送水の状態でリンパ節の腫大を注意深く観察しながらGFを抜去してくる。

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■一側肺動脈閉塞試験

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両鼠径部剃毛、硫アトとアタPにてプレメ.

5%糖500mlの点滴を3連結三方活栓に接続、一方はドームキットに接続する.

 

鼠径靱帯直上あたりで大腿動脈内側を局麻しながら大腿静脈を確認、試験穿刺.10Fr.(出来れば11Fr)のシースセットを使用.穿刺、ガイドワイヤー、ダイレーター、ダイレーター+シースと挿入し、最終的にシースのみとする.

7.5Fr.の肺動脈閉塞試験用バクスターカテの準備を前もってしておく.炭酸ガスをもらいヘパ生中でバルーンの拡張試験を行う(最高量20ml)、漏れがないか、どのぐらいの量でどのぐらい膨らむか?各ルートをヘパ生でフラッシュしておく.

                  

カテをシースより挿入し黄ライン(カテ先端)を三方活栓につなぎ注射器で引き、空気抜きを行う.また他のラインは三方活栓でロックしておく.圧を見ながら挿入し右室に入れる.右室圧を測定.その後やや引き抜きバルーンを少し膨らましPAに挿入、バルーンをdeflateしPA圧を測定する.その後3回ほどCO(青より注入)を測定する.バルーンを膨らませウエッジ圧を測定する.その後バルーンを15ml程度inflateし(透視を見ながら)造影剤を白より注入し閉塞を確認.10分間閉塞しPA圧(白にモニターを変える)をその後測り、COも3回以上測定(青より注入)する.PA圧の著明な上昇、頻脈・不整脈、症状出現時は中止する.全ての測定が終了した後カテを抜去.造影カテの7Frまたは8Frを挿入し直しrt.PAまで挿入し撮影用カメラの位置決めを呼吸運動の停止をさせながら、またカテが抜けないか確認しながら行う.

          

全てが終わったらカテを抜き、シースも抜き約10分間圧迫止血する.圧迫後も布バンにて固定する.6時間絶対安静、6時間ベッド上安静、翌朝より歩行可とする.

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■画像

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B3b, A3bともに前方に出るためCXPではタンジェントに切れて見える.

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■胸腔造影

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体位をhead downとし、ウログラフィンを2-3倍に生食で薄めドレーンより胸腔内に投与する。体位を種々変えて、うまく肺尖部肺表面にのるようにする。必ず検査は術当日か前日とし術中に洗浄を十分量で行い、造影剤を洗い流すこと。そうでないと肺表面に造影剤がこびりつき感染や肺膨張不全の原因となる。

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■胸部MRI

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T1W1:T2W1

cystはLow:veryHigh、

脂肪・脂肪腫はH:H、

出血はL:H、

血腫はM:L−veryL

fibrosisはM−L:L、水はL:H、血液はL:L

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■胸部CT

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胸壁、大血管浸潤はCT上3スライス以上接している場合を浸潤ありとする。                      

胸壁浸潤は腺癌では起こりにくく、扁平上皮癌で起こりやすい。リンパ節転移は直径1cm以上で石灰化のないものを転移と判断する。

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■治療

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内視鏡的レーザ療法の種類(ビデオ)

 

1.加熱方式(レーザーで加熱、凝固、炭化、気化させる)

YAGレーザー(ネオジウムヤグレーザー)

断端再発例などに有効

2.光線力学的方式(PDT療法)

                    弱い出力のレーザー光線を用いる

ヘマトポルフィリン誘導体(HPD):腫瘍細胞には蓄積され正常細胞からは排出される.2日前にHPDを投与(正常部は排泄される)し、その後レーザー照射(アルゴン?)を20分間行う.

3.温熱療法(レーザーハイパーサーミア)

気管支鏡下に低出力(3W)YAGレーザーで42度になるよう加温する. (2チャンネルを用い、数分間行う)

                  

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■気道狭窄に対するステント留置

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シリコン性(Dumon, Dynamic stent etc)、金属製 (EMS: Greount, Wallen stent etc)がある。

硬性鏡になれればその方が処置しやすい。また硬性鏡の外筒でcore outという腫瘍のくり貫きが出来る。現在の硬性鏡は側腔があいていて麻酔換気が容易である。硬性鏡挿入の際はまず全麻下に経口挿管し、その横より硬性鏡を声門近くまで持って行き挿管チューブ抜去と同時にすぐに硬性鏡を挿入するようにする。シリコン性ステント挿入前にレーザーやcore outで腫瘍は可及的にvolume reductionを行ってから留置を行う。またサイズは大きめを選択しないと内腔が分泌物(biofilm)ですぐに閉塞しやすい。術後抗生剤のネブライザーなどにてbiofilmの形成を防ぎ、去痰に努める。アリゲーター鉗子を準備しておき位置の微調整を行う。

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EMR (Endoscopic Mucosal Resection)-Esophagus

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適応:m2で大きさ2cmまで、それ以上だとリンパ節転移や、脈管侵襲を認めるため。患者の全身状態などによる相対的適応もある。空気の挿入や吸引で病変が変化するようならm癌、変化しないならsm癌の可能性高い。ルゴールは2%が良い。

EMR後脈管侵襲があったり、sm以上であれば手術にもって行く。水平方向の断端陽性は焼灼による切除の可能性もあり3カ月毎に厳密な経過観察を行う。

 

方法:2-channel法とover-tube法がある。over-tube法は先端に透明フードを取り付け粘膜下にボスミン加生食10mlを注入し膨隆させ、スネア越しに吸引を掛けた後スネアを締め押しだし粘膜下の可動性を見てから切除施行。可動性が悪いときは固有筋層まで掛けている可能性があり、スネアを掛け直す。

2日間絶食、ガスター投与。出来れば胃管挿入し吸引。1週間毎にGF。1カ月で上皮の再生をみる。

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■食道狭窄に対するバルーン拡張術

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GFに準じて前処置。GFで狭窄部の確認を行う。透視下でブラインドで15mmまたは18mmのバルーンダイレーターを挿入する。バルーンダイレーターは透明で軸が黒色。前もってウログラフィンまたはガストログラフィンを水道水で薄めたものでだいたいの注入量を計測しておく。ブラインドが危険な場合は2チャンネルのGFの鉗子孔を使用して挿入、狭窄部を越えるまで直視下に挿入し、透視で確認しながらバルーンに造影剤を注入する。バルーンが抜けないように気を付けてGFのみ抜去する。拡張時間は30分でその後で透視下でデフレートしバルーンを抜去する。終了後バルーン内を水道水で十分洗浄し、乾燥させ滅菌に提出する。1−2週間毎に行、GFが通過するぐらいの拡張をめどとする。狭窄症状が無ければそれでも可。

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■胸腔内温熱化学療法;肺切除後に施行。

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準備:

1.ローラーポンプ2基、心臓組にも確認。1台は標本室にあり、もう1台をベント用ポンプを借用、無い場合は落差脱血で脱水する。(但し流量は500ml/min前後、通常は1L/min)

2.人工心肺用回路。(メラ心筋保護液供給セットCPIII;宮医大ハイパーサーミア用)

3.温度プローベの確認(滅菌期限も)。1本が胸腔内温度用、2本が送脱水回路用)

温生食3L−5L(実際は3Lを用いるが胸腔内容積で増える可能性有り)

4.CDDP;200mg/m2。

5.ホスミシン4g(内2gは潅流液、2gは静注)。

6.ソルメドロール1g(潅流開始直前に静注)

7.生食井上本店への連絡。

8.術場婦長への業者入室の許可。

9.熱交換リザーバー。

8.胸腔鏡下で施行する場合は、その準備。

                                    

 

手順:

1.まず主病巣の切除を行い、出血、気瘻のないことを確認する。

2.チューブを2本挿入(人工心肺用36Fr脱血チューブ)。1本は下面に送水用として、もう1本は脱水用として上面に。

3.人工心肺用の回路に接続する。CPIIIを清潔操作で開封する。回路のみ術野に残しCPIII本体はポンプ本体の専用ホルダーに接続し、熱交換部を専用チューブ2本で本体と接続する(金属部分内を温湯または冷水が循環し潅流液の温度調整を行う)。

4.温生食3L、ランダ200mg/m2、ホスミシン2gにてプライミングし、シャント回路で前潅流する。潅流速度は1L/minで送水温を45℃前後に加温する。胸腔温は43℃を決して越えないこと。ヒーターON,OFFで調整する。

5.60分−120分潅流し、最後胸腔内を観察、気瘻・出血なしを確認しドレーンを留置、手術を終了する。

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■輸血

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術前Hbが10g/dl以上を目標とし、術後も出血がなければ8g/dl以上を目標とする。但し呼吸促迫、心悸亢進などの貧血によると考えられる症状がある場合は輸血を考える。ベッド上での生活であれば6g/dl以

                                     

新鮮血輸血200ml施行した場合の予測血液成分の上昇は:Hb0.6-0.8g/dl、血小板5000/μl、顆粒球100/μl、アルブミン0.16g/dl、凝固因子3-5%と考えられる。

                                     

出血:約1000ml程度の出血であればHbの低下は4g/dlであり、理論的には出血量の2-3倍のラクテックによる補液で対応できる。またAlbが2.7g/dl以下ならアルブミン製剤の投与を行う。

                                     

FFP:1単位は80mlである。Naは174mEq/l、Alb4g/dlを含有している。その他各種凝固因子、γ-グロブリン、オプソニンなども含まれている。Albの補充にも有用で100mlのFFP輸血で約0.1g/dlの上昇が望める。

                                     

血小板:PC1単位で血小板数は3000/μl上昇する。寿命は10日間で2-3日毎の輸血を目安とする。適応は普通の全麻であれば3万/μl以上、肝切などの場合は5万/μl以上を目標とする。一般的な輸血の適応は2万/μl以下の場合である。慢性の減少症にはステロイド5-10mg/dayが有効である。

                                     

アルブミン製剤:適応は循環血液量低下によるショック、浮腫の治療、術前アルブミンの補正(3g/dl以上の確保)。投与量=(期待値-実測値)x循環血漿量(40ml/kg)x2、実際はその1.5-2倍を要する。

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■化学療法

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5-FU&CDDP時間差療法

 

県立宮崎内科;CDDPの効果を5-FUの前投与にて高める目的

 

5-FU:600mg/m2/dayx5days、Day1-5、持続点滴

CDDP:5-FU終了後24時間(Day7)にCDDP80mg/m2を2時間で点滴

                  

顆粒球減少症

                                            白血球減少とともに単球分画が増加してくる.G-CSFの効果は白血球の増加とともに単球分画の減少もその指標になる.つまり単球分画が増加してくるなら骨髄抑制が進行していると判断して良い.

 

治療にはGCSFを用い、顆粒球が1000を切るようであれば開始し、10000を越えてくるまで用いる.(ノイトロジン100μgを3-5日間)

 

ダンクールッキャップはADR(ファルモルビシン)投与前30分より、終了後60分まで、皮膚温21度が至適.(浅側頭動脈部を特に冷やす)

          

ランダの脱毛作用は少ない.

脱毛は2-4週間後と個人差強い.

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■手術

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肋間開胸する際は十分に肋間筋を切離する、その際前方は内胸動脈に注意、後方は十分に腰背筋膜及び腸肋筋と肋骨の間を電気メスで剥離授動しておくことが大切.

                  

閉胸の際に肋間神経をフェノールブロックするか背部で2cm程度切除(肋間の直上及び直下の2本)して術後の除痛を図る.経験的には切除した方が効果大.但し術後暫くは皮膚の無感野が出現するが、オーバーラップがあるので徐々に回復してくる.

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■肺癌

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宮医大二外科の肺癌手術成績(95/8)(n=513)

 

stageI:n=201、5生率60%、

II:55、36%、

IIIA:139、20%、

IIIB:69、19%、

IV:32、5%

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■乳癌

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前田先生(1996/3/15):癌研研修会出席時の資料より

                                            1994年死者7127人、1996年罹患者数2.5−3万人推測

閉経後乳癌が増加、高齢者肥満による(androgenが皮下脂肪織でestrogenになるため)

 

予防は肥満防止のみ、早期発見早期治療が重要

                                            危険因子;40歳以上(30歳以上の未婚)、初産年齢30歳以上、閉経年齢55歳以上(estrogenの被曝が長くなる)、肥満度20%以上、乳腺良性疾患の既往、乳癌の既往(17倍)、家族歴(母:2倍、姉妹:2倍、母と姉妹:13倍)

                                            手術;癌研では乳房温存22%、胸筋温存66%、ハルステッド7%

乳房温存手術:Q+Ax±rad

乳房温存療法:L±Ax+rad

Quadrantectomy、Lmpectomyでは5mm間隔のマッピングを行う。

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■診断

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画像(マンモ、エコー)→良性→細胞診→(-)→経過観察

                         (+)→組織診→(-)→経過観察

                                (+)→手術

画像(マンモ、エコー)→悪性→細胞診→(-)→組織診→(-)→経過観察

                                 (+)→手術

                          (+)→組織診→(-)→経過観察

                                (+)→手術

                                            Lumpectomyは断端陽性を31%に認め、Quadrantectomyに18%認めた。原則としてもう1回手術。断端陽性例に放治を行った23例中2例に再発を認めた。断端陰性例には放治不要(177例に再発認めず)。再発例は予後不良。

                                            マンモテック:400倍以上をカットオフとするとAccuracy87%であった

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+■手術術式

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児玉法:

適応:ハルステッドに変わる標準術式。大胸筋に浸潤している進行癌(T4)以外には適応となる。

方法:大小胸筋を温存し、Br+Ax+鎖骨下LN+RotterLNを行う術式。大胸筋間溝を開き、RotterLNの郭清し、小胸筋上腕骨付着部を切離し鎖骨下LNのleverIIIまでen-blockに郭清可能。

 

Quadrantectomy(乳房温存手術):

         適応:腫瘍径3cm以下、N1a以下、腫瘍乳頭間距離3cm以上

        除外項目:マンモグラフィーで広範囲の微細石灰化を有するもの、長いスピキュラを有するもの、顔位起因する乳頭以上分泌があるもの、小葉癌、多発癌

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Lumpectomy(乳房温存療法):

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適応:stageI(T1N1a)以下、娘結節や広範な石灰化例は除く、生検で著明な脈管侵襲は除く、占拠部位は問わない

方法:局所切除とLN郭清の皮切は別、腫瘍外縁より1cm離す、levelIIまで郭清、胸筋神経は温存、術中LN陽性4個以上あれば乳切に変更

病理:5mm間隔で全割標本作製

放治:術後3週より残存乳房に46Gy/5週を照射、術後断端陽性なら10Gy/1週を腫瘍床に追加

補助療法:n+の場合

閉経前or閉経後ER-:CMF(cyclophosphamide500mg/m2、MTX30mg/m2、

5-FU500mg/m2)を6クール 

       閉経後ER+:TAMを2年間    

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■児玉先生(乳腺クリニック児玉医院)

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乳癌の全体の5年生存率は70%、StageIで90%以上、IIで70-80、IIIで50-60、IVで40以下

                                            ハルステッドの原則:皮弁は薄く、腫瘍縁より7cm、乳腺全切除、大小胸筋切除、腋窩・鎖骨下・胸筋間LN郭清

                                            皮膚切除の厚さについて:ディンプリングサインがある症例を組織学的に検討したら、全例腫瘍細胞を認めなかった。このことより少なくとも皮膚所見のないものでは皮膚を残しても可と考えられた。ディンプリングサインがあっても腫瘍縁ぎりぎりの皮切で十分と結論付けた。詳細な検討で娘結節の存在を認めることがあるため腫瘍縁より何cm離すという考えはナンセンスであると考えた。Meyer横切開で十分。

                                            横方向への進展:T1腫瘍でも3cm以上離れた乳腺内に癌細胞が存在することがある(20%)。全乳腺切除が好ましいが、乳輪を残し残存乳輪に50Gyの放治を行ったこともある。また乳腺を残し、残存乳腺に放治行うことで根治可能との考えもある。50Gyであれば5mm未満の腫瘍は90%以上壊死を起こすことも判っている。

                                            胸筋方向への進展:胸筋切除の意義は浸潤があるからではなくリンパ節郭清がしやすいという意味あいの方が従来は強かった。

                                            術前のリンパ節転移の評価は殆ど意味がないというぐらい術中後の転移の有無とは異なる。そうであれば全てのリンパ節は郭清するという方向に考えた方がよい。

胸骨後は郭清の必要なし、放治でもコントロール可能である。

                                            我々の結論:皮弁は3mm程度(脂肪が僅かに付着する程度)、腫瘍縁よりの距離は0cm、乳腺全切除、胸筋温存、腋窩・鎖骨下・胸筋間リンパ節郭清。

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+-■放治は折線方向に当てる

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再発症例の検討:児玉法では局所再発も含め再発を認める。

単発局所再発;2週間に1回の再診で殆どが1cm以下の大きさの段階で発見できる。だが局麻で摘出できる。筋肉内より発生している場合もあり、胸筋切除を行えば予防できたかも知れない症例や、皮下より発生し皮弁をもう少し薄くしたり大きめにに切除すれば予防できたかも知れない。下胸筋神経周囲の胸筋間リンパ節の再発が多かった(下胸筋神経は必要なら切離廓清することも考えた方がよい)。しかし再発例を検討すると、腫瘍縁からの距離と再発の間には相関関係はなかった。

多発局所再発;殆どが術前進行癌と診断された症例で、骨や肺転移を合併する場合が多く、予防の使用がない。

                                            乳房温存療法の非適応:腫瘍が非常に大きい、乳頭に近接、腫瘍が2個以上、広範な微少石灰化、生検で乳管内進展が著明、paget病、高齢者、小乳頭。

                                            乳房温存療法遵守事項:levelIII鎖骨下領域までの郭清、温存乳腺への放治、長期の慎重な経過観察

                                            Quadrantectomyで断端癌細胞ミクロで陽性の症例でも術後放治を行えば再発例は今までない。現在40%がこの術式。

                                            n0でも再発例があるのでadjuvantは必要と考えられる、TAMが良い(副作用少ないので)。

                                            intecostal brachial nerve(上肢の近くに関与)は切除して問題ないと考えている。

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