上腹部手術麻酔(胃、胆嚢)

 

<硬膜外チューブ挿入>

Th11-12の間へ、硬膜外チューブを挿入。(Th12は肋骨付着部で確認)

・刺入点は、Th12のきょく突起より左側1-1.5cmのところから、斜め正中上方の方向。

・皮膚の1%キシロカイン局麻と同時に、硬膜外を探るために、垂直に骨にあてる。

 当たれば、挿入の深さを確認して、おぼえておく。

・エピ針がぐらぐらしないところまで刺されば、硬膜外の可能性あり。

 また、プツッという抵抗感も硬膜外の可能性あり。挿入の深さを確認。

・生食を注入し、抵抗なく軽く入れば、硬膜外である。

・硬膜外チューブを20cm挿入し、外筒を抜く。

 この時、硬膜外チューブが抜けないように押し入れながら、外筒をぬく。

12-3cmのところまで硬膜外チューブをひきぬき、中は7-8cm入っていて、Th7-8へ先が入っているはずである。

・ブルー針を装着し、吸引し、血液や髄液が引けないか確認し、生食を注入し、入るか確認し、水面が、高さにより上下するかを確認する。

・キャップをつけて、背中正中より後頚部側へテープで固定する。

 

<麻酔前確認>

・末梢点滴がとれていないときは、ラクテックで確保(18Gで、緊急輸血用にも使う)

・上腹部の手術では圧ラインいれず、マンシェットで行う。

 (圧ラインがとれていないときは、黄色サーフローで右手確保。)

・気管チューブの選択(標準, 男8.5cm, 女7.5cm)、カフ空気漏れのチェック。

・喉頭鏡、麻酔機器回路のチェック

・レスピレーターの条件設定、標準(14回, 7LでTV 500ml)

・イソゾール(500mg/20ml NS), マスキュラックス(4mg/4ml NS), エホチール1A + NS 9ml, 硫酸アトロピン1A等準備。

 

<導入>

・マスキュラックス1mg iv

O2マスク6Lで、純酸素化するために、3分間まつ。

・マスキュラックス3mg iv、筋弛緩が表現され始め、

・イソゾール iv (50Kgは、250mgで、10ml iv、50mg/kg)

・入眠し(呼吸停止で、アンビューバッグで呼吸補助)、顎関節、開口、頚部筋肉が弛緩したのを確認。

 

<挿管>

・喉頭鏡で、喉頭展開、キシロカインスプレー噴霧。

・スタイレットなしで、挿管(標準, 男8.5cm, 女7.5cm)する。

 (男22cm, 女20cmで固定)。バルーンに空気をいれ気管チューブ固定する。

・レスピレーター装着(02, 14回、7Lで、TV500mlに設定し、SaO2が安定したら, N20: 3L, O2: 3Lに変更)し、両側肺音チェックし、OKなら、バイトブロックとともに、固定する。手動/自動の切り替えスイッチとopen/closeダイアルを確認し、openにしておく。実際に人工で呼吸しているか確認する。

・人工鼻、CO2モニター装着。

・挿管時に、血圧上昇に対しては、セボフルレン0.5-3.0内に増加させ、調節する。

無効時は、ペルジピン2mlフラッシュ等を用いる。

(徐脈時は、atropin, 低血圧時はエホチールivができるように。)

・アイパッチを両目に当てておく、眼球の乾燥を防ぐ。

・マーゲンチューブを挿入し、固定する(45cm以上)。

・ここで、上腹部の通常手術は、IVHはとらない。

IVH 挿入。右内頚静脈(頚部下1/3で胸鎖乳突筋分岐部を刺入点とし、右乳頭方向に、30度の角度で、頚動脈の外側で、ブルー針で約1cm-1.5cm試験穿刺し、確認する。)

 

<麻酔維持>

・血圧は、セボフルレンの上下によりコントロールする。

N2O: 3L, O2: 3Lで、FiO2 50%で、呼吸を維持し、SaO2, CO2モニターで、レスピレーターの調節(回数、TV, flow)を行う。

・輸液に関して、教科書的には、

体液喪失手術:8ml/Kg/hr, (60kg Ptは、480ml/hr)

ileus手術:10ml/Kg/hr, (60kg Ptは、600ml/hr)

出血量1mlに対し、外液3mlで補う。

尿量は、0.5-1.0ml/kg/hr保つように。(成人では2000ml輸液入ってから、尿が出始める)

・マスキュラックスは、30min毎に、1mg追加する。

 

ope終了段階>

・洗浄、ドレーン挿入時段階で、セボフルレンはoffにする。

・閉腹は30分ほど要するので、筋弛緩十分なんらマスキュラックスはこの段階ではうたない(硬直ならうつ)。

・皮膚縫合時には、笑気をoffにする。

・覚醒30分前には、epi注(レペタン0.1mg + NS 9.5ml)を行い、覚醒時疼痛を除く。

  通常人70才以下:(レペタン0.2mg + NS 9ml)

  高齢者70才以上:半分(レペタン0.1mg + NS 9.5ml)

 

<覚醒、抜管>

・自発呼吸の有無は、モニター胸郭移動ラインでわかる。

・覚醒時(握手可能)に、硫酸アトロピン2A, ワゴスチグミン4Aを投与する。

  マスキュラックス4mg以下の場合:硫酸アトロピン1A, ワゴスチグミン2A。

  70才以上:硫酸アトロピン1A, ワゴスチグミン4Aを投与する。

    (限度:硫酸アトロピン3A, ワゴスチグミン6Aを投与する。)

  覚醒は、呼びかけに応じるか、目を開かせる、手を握らせる、深呼吸させる。

  口内、鼻腔内、気管内吸引し、刺激させ、呼吸させる。

・抜管。

 

<バランスチェック>

OUT:尿量、出血量

IN:ラクテック量、輸血量

GAS:O2, N2O, セボフルレン使用量。