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筑波大学麻酔科研修の手引き

7. 筋弛緩薬

筑波大学麻酔科 編



筋弛緩薬

(1) 適応
	1)	 気管内挿管: 挿管困難症のとき注意 
	2) 	バッキング予防: 脳外科、心臓手術、肺外科、眼科、顕微鏡下手術など
	3) 	手術のための筋弛緩 : 開胸、開腹術 (硬膜外併用時は必須ではない) 。 

(2) 使用法 
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	筋弛緩薬  サクシニルコリン	ベクロニウム		パンクロニウム
			(SCC、サクシン)	(Vec、マスキュラックス)  (Pcb、ミオブロック)

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	初回投与量  1 mg/kg 			0.1 - 0.2 mg/kg 	0.1 mg/kg
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	特徴 	速効性、持続短い 	速効性、持続短い 	遅効性、持続長い
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	副作用 	反復投与時の徐脈    	肝不全で作用時間延長 	頻脈
			Phase II Block     					腎不全で作用時間延長
			高カリウム血症
			胃内圧・眼圧・脳圧上昇
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	リバース 	不要 				不要のこともある  		必須
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	禁忌  	麻痺、長期臥床              
			熱傷、腎不全、      
			頭部外傷、脳圧亢進
			眼外傷、緑内障
			悪性高熱
			異型コリンエステラーゼ
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(3) 筋弛緩モニター (NMT)		
 	1) 						・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                      
		準備 : 						T1          	TOF
 			Myotest+Myograph	・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                      
							100%                              
 			評価の目安  →		25%(75%block)    4番目の単収縮消失
							20%(80%block)    3番目の単収縮消失
							10%(90%block)    2番目の単収縮消失
							・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                      
	2) 	臨床的に良好な筋弛緩状態はT1 5-25%とされている。
		T1 25%以上では腹筋が固いと感じられる。
	3) 	TOF 75% (頭部挙上5秒間に相当) まで回復すれば充分であるとされている
		が、TOF 100%に回復してもReceptorは70-75%が占拠されているのでリ
		バースを行った方が安全である。

(4) 非脱分極性筋弛緩薬のリバース
	1)	成人では、アトロピン 1mg(2A)+ ワゴスチグミン 2.5mg(5A)
	2)	小児では、アトロピン 0.02mg/kg+ ワゴスチグミン0.05mg/kg
		*	混注するかアトロピンを先に投与すること。
		*	回復傾向 (TOFでT1の出現、自発呼吸、サクション時のバッキング) 
			を待ってリバースした方が、効果が判定し易く、拮抗剤の使用量も少
			なくてすむ。
		*	ワゴスチグミンの最大投与量は 0.1 mg/kg (成人で 5 mg)。
		* 	大量投与時、腎不全、shock、高齢者、未熟児などでRe-	
			curalization に充分注	意すること。
		* 	抗生物質の使用 (アミノグリコシド系) 、神経筋疾患 (重症筋無力症、
			Myasthenic Syndrome) 、酸塩基平衡・電解質異常、低体温等のと
			き非脱分極性筋弛緩が遷延することがある。


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Last Modified: Mar. 20 1996